研究課題/領域番号 |
21310107
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
矢守 克也 京都大学, 防災研究所, 教授 (80231679)
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研究分担者 |
渥美 公秀 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80260644)
牛山 素行 静岡大学, 防災総合センター, 准教授 (80324705)
船木 伸江 神戸学院大学, 学際教育機構, 講師 (50434915)
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キーワード | 防災教育 / 語り継ぎ / 災害情報 / 参加 / ゲーミング / 災害リスク / 実践共同体 / 正統的周辺参加 |
研究概要 |
研究目的に掲げた3つのテーマ、すなわち、防災教育の「持続性」、「総合性」、「専門性」の3点について、それぞれ以下の実証的かつ理論的研究を実施した。「持続性」については、災害体験を複数の世代に属する語り手を主体とする語り継ぎ活動(「災害メモリアルKOBE」や「次世代語り部事業」、いずれも人と防災未来センターとの共同事業)をフォーカス事例として、ガーゲンの社会構成主義の観点からその意義を理論的に考察した。「総合性」については、防災ゲーム「クロスロード」を狭義の防災以外のトピックス(学校安全、保健・衛生、まちづくりなど)にも応用することを中核とする実践事業(「クロスロード」ファシリテータのつどい)をフォーカス事例とした。これを通して、ゲーミング手法を総合的な地域リスクマネジメントの媒体として活用することを試み、その意義をゲーミング理論やワークショップ論の観点から考察した。「専門性」については、小学生が最先端の稠密地震観測システム(「満点計画」)に、地震計の保守・点検・データ回収作業を通して参画しつつ、地震について学ぶ新たな防災教育プログラム(「満点防災教育プログラム」)を立ち上げ、これをフォーカス事例とした。その上で、その成果を教育・学習に関する実践共同体への正統的周辺参加理論の観点から考察した。さらに、突発災害事例(2008年の都賀川水害、2009年のチリ遠地津波災害など)に関する現場調査を実施し、主として災害情報の発信と受容について、地域住民への防災教育の観点から考察し、災害情報のダブルバインドなど、これまでの常套的な災害情報観一線を画す情報論を展開した。
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