研究課題/領域番号 |
21310108
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
辻 正二 山口大学, 人文学部, 教授 (10123936)
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研究分担者 |
原田 規章 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70116747)
坪郷 英彦 山口大学, 人文学部, 教授 (70207439)
松野 浩嗣 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10181744)
石田 成則 山口大学, 経済学部, 教授 (50232301)
高野 和良 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 准教授 (20275431)
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キーワード | 時間意識 / 生命的時間 / 社会的時間 / 健康 / スピード |
研究概要 |
本研究課題に対して社会的時間研究と生命的時間研究のニグループに分けて、研究を行ってきた。 1.現代に社会のスピードに関して今回は時間意識のレベルで捉えた。 2.時間感覚が強い高齢者は、規則正しい生活を心掛けながら、いくつかのストレス解消方法を活用して上手くストレスを解消しており、心身ともに健康であることが示された。 3.時間感覚が強く時間に正確な高齢者は、他者や周囲からの信任も厚く、自主的かつ積極的に社会活動に参加していることも理解された。このことより高齢者の社会的孤立を抑制するために、高齢者の時間感覚がキー概念となることが解明された。 4.「これからの人生に対する姿勢」と「死に対する意識」を分析した結果、「これからの人生に対する意識」は、革新型(気持ちを若々しく保つ)、順応型(年相応に過ごす)を多くの人々が支持していること、支持の程度は属性ごとにかなり異なっており多様であること、などが明らかとなった。また、時間の経過に関する意識との関連も認められた。 5.性別や年齢層による時間意識や時間の過ごし方を分析することによって、長期化する老年期をいかに過ごすのかという政策提言的な観点からも研究を深めることができた。 6.青年層の時間意識と精神的健康や行動の動機付けの関連について分析を行った結果、未来型の時間志向は、若者の発達段階において重要な時間志向になっていることがわかった。 7.この時間志向に危機をもたらすのは自己意識であり、ストレスが少なく自己を肯定的にとらえる者が、時間を意識し、現在を充実させ、将来に希望を持って生活している実態が明らかになった。 8.他方、生命的時間研究班では、概日リズムを発生させる遺伝子制御機構の研究を行い、コンピュータシミュレーションによって、マウスの時計遺伝子機構において未発見の分子作用の存在を示し、より確かなリズム発生機構の解明に一歩近づけることができた。
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