研究概要 |
(1)プラントライフサイクルにわたる業務プロセスモデルの構築と活用事例を用いた普及 化学プラントの安全運転管理と設備保全管理の業務プロセスモデルを構築するとともに,業務改善や品質トラブル解析,事故事例解析への活用事例を準備し,モデル普及を目的とした講習会を開催した.また,製油所でのプロセス改善を目的とした変更管理事例のトレースを行い,モデルの妥当性を検証するとともに,これまで提案している業務プロセスモデル上で変更管理の業務フローを表現できることを確認した.(2)変更管理のあり方に関する検討 化学工学会安全部会のWG活動に参加することで,「変更管理のあり方」についての検討を行った.軽微変更や同種置き換えなどの取り扱い,変更管理基準及び変更アセスメント基準に基づく変更管理のあり方と情報及び基準類のアップデートの流れなどについて提案した. (3)リスク管理支援システムの開発 リスクアセスメント及びリスク低減対策立案を支援するシステムを開発した.HAZOP支援システムによる解析結果を基に,独立防御層の概念に基づくリスク低減対策立案の成否を考慮したフォールトツリーを自動生成するとともに,トップ事象発生確率を計算する.これとHAZOP結果から得られたハザードによる影響度を組合せ,リスクレベルを決定する.一連のリスクアセスメント結果を基にリスク低減対策の有効性を確認することができ,安全設計をサポートする. (4)オントロジーの概念を用いた事故事例データベースと解析支援システムの開発 事故原因から結果までの詳細な事故情報を記述するためのAccident Representation Chart(ARC)と呼ばれる記述方法を提案するとともに,解析支援システムを開発した.オントロジーの概念を用いて,検索項目間の関連性を表現することにより,効率的な検索が可能となっている.
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