研究課題
非対称な地震動の定最的な計測と物理モデルをめざした振動台実験を行うための予備実験を行った。内径200mm、高さ500mmの円筒形の土槽にガラスビーズ等の試料を入れ上下加振した。概ね1g以上の大振幅加振において試料が粒状的な振る舞いをし、宙に浮く現象が見られ、各深度に設置した加速度計から得られた波形は振幅が概ね重力加速度を超えると非対称なものとなり、その傾向は深度の浅い加速度計ほど顕著であった。計測された加速度は8gを超える大きなものであり、地震観測用の加速度計では振り切ってしまうことが分かった。また、重力加速度が大きくなると加速度計が異動したり傾くなどするため測定が困難になるが、高速カメラを用いた画像解析により、大加速度時においても正確な計測が出来る可能性が示された。2008年岩手・宮城内陸地震(M_<JMA>7.2)の際に、重力加速度の4倍を超える極めて大きな加速度が記録された断層直上のKiK-net一関西観測点周辺における微動観測を行い、浅部S波速度構造の推定を行った。微動観測は、2009年5月~8月にかけてKiK-net一関西観測点(IWTH25)周辺にて単点による微動観測(合計210地点)および微動アレイ観測(4アレイ)を実施した。単点による微動探査によるH/Vスペクトル比の周期毎のピーク倍率を面的に確認したところ、一関観測点の近傍においてのみ10~15Hzの卓越周期が3倍前後と大きく、その他の位置においてはこの周期範囲のピークについてほとんど確認することができなかったことから、表層地盤が急激に変化していることが分かった。また、一関観測点直近での観測結果における位相速度から計算されるS波速度構造推定値から、表層数mのS波速度構造は現在想定していた半分以下であることが分かった。
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Bulletin of the Seismological Society of America
巻: 100 ページ: 256-266
科学
巻: 79 ページ: 366-370