研究課題
昨年度行った予備実験を踏まえ、本年度は高加速度まで測定可能なセンサを新たに用いた実験を行った。振動台実験は実際の現象と比較して規模が小さいため、豊浦砂を資料とした振動台実験で見られる衝撃的なパルス波は地震時に観測されたものとは異なる性質を持っている。大鋸屑を試料として実験を行ったところ、より観測データに近い再現が出来、粒状性と弾性の両方がトランポリン現象においては本質的に重要な要素であることが分かった。粒状体の物理に立脚する構成則を採用した数値解析プログラムFLIPを用い1次元地震応答解析を行ったところ、地表面および地中の鉛直加速度にパルス状の上向き加速度が現れた。ただし、実験で観測された振幅に対し、50%程度と過小評価であり、非対称な上下動を定性的には再現できているものの、現段階では実験結果を完全に再現するには至っていない。本震前後及び本震時の地表/地中スペクトル比を解析し、水平動だけでなく、上下動でも5Hz以上でピーク周波数のシフトなどスペクトル比の形状が変化したことが分かった。本震前、本震時、本震後の地盤構造をモデル化したところ極表層においてはP波速度が本震によって大きく低下し、強震動による地盤の状態変化が本震後も残留していたことが分かった。
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Bulletin of the Seismological Society of America
巻: 100 ページ: 1456-1469