研究課題
2回出張を行ってラオス気象局、ベトナム水文気象局、タイ気象局を訪問し、研究計画の具体的内容説明と今後の研究実施方針を打ち合わせた結果、2007年10月初めに中部インドシナを横断した台風LEKIMAが最初の事例解析対象とふさわしいとの合意を得ることができた。また、ベトナム・ハノイ近郊のレーダー施設を視察し、機器の状態、データ取得状況のチェックも行い、当面利用できるレーダーはタムキーであることを確認し、生データの提供を受けた。タイについても同時期のレーダー生データが主としてUFでバンコクの本庁に保管されていることを確認し、提供を受けるなど、順調な滑り出しとなっている。その後、早い時期に提供を受けたラオス・ビエンチャンレーダーとベトナム・タムキーについては予備的解析を開始した。その結果、ビエンチャンレーダーは台風LEKIMAの中心部の通過を見事にとらえていること、タムキーレーダーは欠測が多く、かつ、内陸側は地形によるビーム遮蔽の効果で余り観測できていないこと、しかし、TRMMが対象期間中にビエンチャンとタムキーをつなぐ軌道で観測しているため両レーダーの比較は可能であること、などが判明した。数値実験は、LEKIMAを対象に2007年9月下旬~10月上旬を積分期間に設定し、まずWRFを用いて格子間隔30kmで実施した。初期条件と境界条件はNCEP FNLを用いた。その結果、LEKIMAの移動の様子は満足できる精度で予測できていることを確認した。しかし、計算された雨量とTRMM 3B42の推定値とを比較した結果、ベトナム海岸付近でモデルがTRMMに比べて過大に降水を計算していることが判明。TRMMの信頼性の確認も含め、レーダーや雨量計の値との比較などを次年度に行って、モデルの信頼性の確認を実施する必要が明らかとなった。
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