研究課題/領域番号 |
21310120
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
里村 雄彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20273435)
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研究分担者 |
松本 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80165894)
森 修一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, チームリーダー (00344309)
勝俣 昌己 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 技術研究副主幹 (50359147)
荻野 慎也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (80324937)
横井 覚 東京大学, 大気海洋研究所, 特任助教 (40431902)
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キーワード | レーダー / 東南アジア / 台風 / 数値モデル / メソスケール / 降水 |
研究概要 |
レーダーデータ解析については、昨年度に引き続き、2007年にインドシナ半島内陸部まで進入した台風LEKIMAの事例について解析を行った。ラオス気象水文局が所有・運用するビエンチャンレーダーのデータにEVAD法を適用することで、LEKIMAの内部気流構造を算出し、発達期の台風とは異なる構造を明らかにした。また、昨年度に作成した広域レーダー画像や、客観解析データと組み合わせることで同台風の衰退メカニズムについても議論した。 数値実験については、長寿命台風の勢力維持メカニズムを明らかにするため,2007年10月の台風Lekimaのシミュレーション結果の詳細な解析を行った。降水分布と台風中心の関係や暴風半径,勢力の時間変化などが適切に再現されていることを確認した。さらに,ラオス国ビエンチャン市のレーダ観測データの解析から明らかとなった,対流圏中層における台風中心からの発散流も再現されていた。また、長寿命台風の典型例である2001年の台風Usagiについても数値実験を行い、数値モデル計算領域設定が予報成績に大きく影響があること、積雲パラメタリゼーションの設定も大きな影響があること、これらを上手く組み合わせることで中心位置を高精度で予報できることなどを示した。広域データ解析については、ベトナムにおける台風による降水量および大雨に対する台風接近による降雨め季節性と年々変化を解析し、中部ベトナムの秋季に特に台風による降雨が多くなること、ENSOの影響を強く受けていることを明らかにした。 一方、台風の降雨特性をより定量的に理解する為、雨滴粒径分布計をラオス国内に設置した。これにより、2011年の雨期を通した観測データの取得に成功し、同期間内に内陸まで進入した台風5事例の降雨特性の情報を得ることができた。また、このデータは、レーダー反射強度から雨量を得る際の換算式の算出に用いられた。
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