研究概要 |
研究代表者らは出芽酵母の細胞形態、アクチン、核などの形態に関する高次元表現型情報を集めることにより、遺伝子欠損によって変化する表現型プロファイルが遺伝子産物の機能に関係していることを発見した。このことをヒントにして高次元表現型データから表現型プロファイルを統計学的に抽出し、パターンの類似性からその条件下で影響を受けている遺伝子機能を推測する(表現型プロファイリング)法を確立した。この方法は、生理活性物質の細胞標的を推定できる新しい方法としても利用できる。犯罪捜査における容疑者プロファイリングと同様に、プロファイルの精度は統計的データの質と量に依存することから、観察対象の表現型を増やすことも試みた。これにより顕微鏡画像から得られる細胞周期や細胞構造の情報を主とする表現型を1,000以上のパラメータ(指標)から解析するシステムを構築できた。
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