今年度は、健康や疾患、それらの特定の状態における、動的な生体内パスウェイモデルに着目し、それぞれに関して情報を纏めたデータを作成して配信し、携帯端末においてこれを受け取って、参照・利用することが可能なソフトウェア「動的パスウェイ情報提供システム」の学会発表[Hishiki2011]とともに、遺伝子多型への環境の影響を視覚的に探索するために複数の遺伝子について多型の構成を地図上に表示可能な「多型地図情報システム」の開発をおこなった。 また、SNVの変化による影響がパスウェイでどのように影響があるかをルールベースで記述することができるようにするための枠組みとして、Model Checkingの枠組みで扱えるようにするためのソフトウェアMIRACHを前年度開発したが、そちらをさらに効率よく推定するためにデータ同化とを組み合わせることでパラメータ推定を行うことができる技術開発を行った。その枠組みを国際会議で発表を行い国内外の有識者からさまざまな意見を頂き開発にフィードバックを行った[Kuroyanagi et al 2011]。 また、この枠組みをつかって、動的な生体内パスウェイモデルの特徴因子と遺伝子多型・機能との関係を探るため、CSML形式で記述した300以上のパスウェイからなるマクロファージデータベースをこの枠組みに利用できるように改良を行うとともにウェブページで公開を行った。[Nagasaki et al 2011]。
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