研究課題
本提案の目的は、二つの独特な小分子化合物(申請者らが発見・合成した合成化合物クロメセプチンと日本独自の海洋天然物オーリライド)を利用して、新しい細胞内シグナルを明らかにすることである。・ 目的1「クロメセプチン経路の解明」昨年度までの研究によって、クロメセプチン経路の最上流(MFP2)と最下流(STAT6)をつなぐ主要なタンパク質としてACC1タンパク質を同定した。クロメセプチンとMFP2が結合すると、その複合体はACC1に結合し、ACC1の活性が失われる。それによって、マロニルCoAの濃度が下がることによって、脂肪合成が抑制され、STAT6が活性化されると考えられる。これまでの結果をまとめた論文は投稿中。・ 目的2「オーリライドによる細胞死の解明」昨年度までの研究によって、オーリライドによる細胞死がプロヒビチンとOpa1タンパク質の働きによることを確定した。オーリライドはプロヒビチンに結合してOpa1のプロセシングを活性化する。今年度は、Opa1がプロセシングされることでミトコンドリアの膜構造が変化しチトクロームCの放出によって細胞死が誘導されることを示した。これらの結果をまとめた論文をChemistry & Biology誌に発表した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) 備考 (1件)
Chemistry & Biology
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http://www.scl.kyoto-u.ac.jp/~uesugi/