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2009 年度 実績報告書

イネ科植物のムギネ酸類による鉄取り込み機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21310148
研究機関(財)サントリー生物有機科学研究所

研究代表者

村田 佳子  (財)サントリー生物有機科学研究所, 主席研究員 (60256047)

研究分担者 難波 康祐  北海道大学, 理学研究院・化学部門・有機化学第二研究室, 講師 (50414123)
キーワードムギネ酸 / ムギネ酸鉄錯体トランスポーター / 基質選択性 / イネ科植物 / オオムギ / 標識体 / 鉄輸送
研究概要

1.ムギネ酸類・鉄錯体トランスポーターの基質特異性決定部位・活性必須部位の決定:オオムギから同定されたムギネ酸鉄錯体選択的なトランスポーターHvSY1とトウモロコシ由来のムギネ酸の他の金属錯体も輸送するZmYS1の基質選択性の違いを解明するため、それぞれに特徴的な6番目の膜外ループのペプチド(約40アミノ酸)が基質選択性に関与していることをキメラ体の輸送活性測定やCD測定により報告した(基盤C研究成果報告書)。本研究ではこのループ部分のNMR解析において、43ペプチドの2次元^1H-^<15>N相関NMRスペクトル(HSQC)を測定し、NMRピークのアミノ酸を同定し、CD実験と同様にHvYS1のほうがZmYS1より2次構造をとっていることを明らかにした。DPC(ドデシルホスホコリン)ミセル存在下でデオキシムギネ酸鉄錯体の滴定実験を行い、HvYS1のみループ後半部分のシグナルがシフトしたことから、この部分が膜に結合し、基質輸送に関与することが示唆された。また、HvYS1のこの膜外ループの377番目のセリンが基質選択性に関与している活性結果をアフリカツメガエルの卵母細胞で得られたので他のアミノ酸に関しても検討している。
2.ムギネ酸類標識体の合成:ムギネ酸の2'水酸基にプロパルギル基を導入して、クリック反応によりベンゾフェノン、クマリン、トリアゾールなどの標識体を作製した。これらが鉄錯体を形成することをフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(FTICRMS)で確認した。HvYS1トランスポーターを発現させた卵母細胞の電気生理実験を用いて、これらのムギネ酸標識鉄錯体の輸送活性を測定した結果、ムギネ酸と同等ではないが、20-60%の輸送活性を有することが分かった。また、ムギネ酸クマリン標識鉄体を反応させた卵母細胞のみ細胞内で蛍光を観測したことにより、トランスポーターを介して取り込んでいることを確認した。今後はこれらの標識体を用いて、トランスポーターとの結合部位を明らかにする。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Toward Mechanistic Elucidation of Iron Acquisition in Barley : Efficient Synthesis of Mugineic Acids and Their transport Activities2010

    • 著者名/発表者名
      Namba K., Murata Y.
    • 雑誌名

      The Chemical Record 10

      ページ: 140-150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ムギネ酸によるイネ科植物の鉄取り込み機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      村田佳子, 他10名
    • 雑誌名

      SUNBOR ANNUAL REPORT

      ページ: 67-74

  • [学会発表] オオムギのムギネ酸類3価鉄錯体トランスポーターHvYS1を遺伝子導入したペチュニアの解析2010

    • 著者名/発表者名
      村田佳子、伊藤喜之、難波康祐、岩下孝、田中良和
    • 学会等名
      第51日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本)
    • 年月日
      20100318-21
  • [学会発表] Stracturel analysis of an outer membrane loop responsible for substrate specificity of Fe(III)-phytosiderophore transpoerters2009

    • 著者名/発表者名
      原田英里砂, 他2名
    • 学会等名
      第32回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜)
    • 年月日
      20091209-20091212
  • [学会発表] オオムギのムギネ酸類・3価鉄錯体トランスポーターHvYS1の基質特異性の解析2009

    • 著者名/発表者名
      村田佳子、原田英理砂、菅瀬謙治、岩下孝
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      20091021-24
  • [学会発表] ムギネ酸類を介したイネ科植物の鉄取り込み機構2009

    • 著者名/発表者名
      村田佳子、難波康祐、馬建鋒、菅瀬謙治、堀川学、岩下孝、楠本正一
    • 学会等名
      第51回天然有機化合物討論会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋)
    • 年月日
      20091007-09
  • [学会発表] Synthesis and Its Iron Transport Activities of Labeled Mugineic Acid2009

    • 著者名/発表者名
      Namba, K., Kobayashi K., Murata, Y., Tanino, K.
    • 学会等名
      5th Japan-Korea Young Scientists Meeting on Bioorganic and Natural Products Chemistry 2009
    • 発表場所
      Yugawara Training Institute(静岡)
    • 年月日
      20090827-29
  • [学会発表] ムギネ酸類3価鉄錯体トランスポーターHvYs1トランスジェニックペチュニアの鉄欠乏アルカリ培地における耐性2009

    • 著者名/発表者名
      村田佳子, 他4名
    • 学会等名
      第20回日本微量元素学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京)
    • 年月日
      20090702-20090703
  • [学会発表] オオムギのムギネ酸類3価鉄錯体トランスポーターHvYS1の基質特異性に関わる膜外ループの解析2009

    • 著者名/発表者名
      村田佳子,原田英理砂、菅瀬謙治、難波康祐、岩下孝
    • 学会等名
      第4回トランスポーター研究会
    • 発表場所
      東京大学(東京)
    • 年月日
      20090523-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.sunbor.or.jp

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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