研究分担者 |
河口 洋一 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20391617)
宮下 直 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (50182019)
三谷 泰浩 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20301343)
村上 拓彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20332843)
永田 尚志 新潟大学, 超域研究機構, 准教授 (00202226)
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研究概要 |
1.第1次放鳥個体と第2次放鳥個体の放鳥後3ヶ月間の行動圏を比較解析し、第1次放鳥個体は放鳥後2ヶ月間で大きく移動したのに対して、第2次放鳥個体では放鳥後短期間に放鳥場所周辺に定着し行動圏が狭いことが明らかになった。また、水田および周辺環境で放鳥トキが採餌している餌を直接観察法により解析した結果、ドジョウ、ミミズ、カエル、昆虫が主な餌であることが明らかになった。特に、トキ野生復帰再生ビジョンにおいて再生目標に掲げられていないミミズが夏期の餌として重要であることが明らかになった. 2.水田再生が生物多様性の増進に果たす役割を評価する一環として、近年水田生態系の指標生物として注目されているクモ類のホットスポットを景観レベルから探索した。その結果、半径400m以内に森林と水田が50-60%混在する景観で、種数が最も大きくなることがわかった。 3.河川-水路-水田間のネットワークを再生した小流域で、小河川・水路を対象に夏期にエレクトリックショッカーを用いた魚類の定量調査と水深や流速・底質環境といった物理環境調査を実施した。魚類の移動を妨げていた構造物の改良、そして小河川と水路間の落差の改良、水田魚道の設置を行ってか約2~3年が経過したが、改良前と後で小河川そして水路における魚類の種組成や生息量に大きな変化はみられなかった。 4.トキを佐渡に定着させるための持続的な自然再生計画を立案する「トキ再生プロジェクト」において,多種多様な情報を地理空間情報として管理・集約するデータベースとそれを支援するGISとWikiを用いたポータルサイト「トキGIS」からなるGIS情報基盤を構築し,プロジェクトにGISを活用した。事例を紹介する。その結果,利用者の情報共有が円滑に行われ,各分野の調査・研究が融合されることで,情報の共有だけでなく,意思決定支援のための専門家らによる「知」の共有が可能な環境が創出された。
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