研究課題/領域番号 |
21310153
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高井 潔司 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (20312407)
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研究分担者 |
渡邉 浩平 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (50333638)
遊川 和郎 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (40312409)
西 茹 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (50533569)
北見 幸一 北海道大学, 大学院・メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (90455626)
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キーワード | インターネット / 伝統メディア / 世論形成 / 複合的メディア環境 / ゲーム / 民意の表明 / メディア環境の変容 / メディア管理 |
研究概要 |
研究代表者及び分担者を中心に、平成20年4月大学院内に東アジアメディア研究センターを設置した。その上で科研費によって購入した関係図書、雑誌など文献資料を分析した。また、手分けして北京市、浙江省、広東省、香港などのメディア企業、メディア研究機関を調査し、情報の収集、交換を行い、文献分析の結果を検証した。科研費以外の外部資金の獲得にも努力し、外務省の助成で中国のメディア研究者、実務者を招聘して、経団連経済広報センターの協力を得て、東京、札幌でシンポジウムを開催し、専門家から最新の研究報告を受けた。 近年、インターネットの急速な発展により、中国のメディア環境と世論形成のメカニズムはきく変容しており、一連の研究活動を通して、その構造的な変化を明らかにした。従来、世論形成は中国共産党及び政府とその宣伝機関であるマスメディアによって一手に担われてきたが、インターネットが民意表明の場となり、石油化学工場やゴミ焼却場の建設、都市再開発への反対運動や政府高官の不正摘発などが行われるようになった。この動きについて、政府は民主化の現われてとして、表面的には奨励の姿勢を取りつつも、過激な政府批判へつながらないよう、インターネットの管理と世論の誘導に努めていることも明らかになった。インターネットと伝統メディアによって生まれた複合的なメディア環境の下で、民意と中国当局による輿論形成の主導権を争う"ゲーム"のメカニズムが生まれつつある。外務省助成のシンポジウムでは、中国の専門家の報告によってその実態を詳細に明らかにし、報告書として刊行した。 研究成果については個々の研究者が雑誌などを通して発表したほか、愛知大学現代中国研究センターと共催して国際シンポジウムを開催し、研究報告を行うとともに、同センター発行の電子ジャーナルに論文として掲載した。
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