研究課題
ウィル・デ・ヨンは2010年度、ボリビアとペルーの国境地域およびペルー・コロンビア国境地域でフィールドワークを行った。それらの地域では新政権の下で国境地域における森林資源のガバナンスの問題に焦点した国際レベルあるいは国レベルの森林資源ガバナンスとローカルな資源管理との関係に関する調査を行って、森林ガバナンスに関する書籍の刊行を行った。研究分担者の石川は、マレーシアとインドネシアの国境地帯におけるマラリア疾病の発生に関する調査を継続している。ついては、マレーシア領国境地帯における大規模アブラヤシ農園開発、そこで働くインドネシア人の労働移動経路、ならびにマラリア罹患率の増加のあいだの相関関係についての調査を進めてる。プランテーション開発をめぐる社会経済的。要因に加えて、国境地帯の植生変化、降水量変化、気温変化などのデータ解析を行っている。研究分担者の柳澤は、ブラジルとペルーの国境近くに位置するペルー領アマゾンのロレート県にて、4つの集落を対象に、森林利用の歴史に関する現地調査を行った。その結果、アマゾン川本流の流れによって河岸が浸食と堆積を長期の時間軸の中で繰り返され、河川沿岸沿いの農民は農地面積の緩やかな増減に応じて農地と狩猟採集の場を移動させること、また、河川沿いの集落の人口の増減は、この農地と狩猟採集の場の移動と深く関係することが分かった。連携研究者の赤嶺は、ワシントン条約(CITES)の附属書IおよびIIに掲載された水棲動物を分析した結果、2000年以降に食料資源としての水産物の記載が目立つ傾向をあきらかにした。このことは、野生生物の保護と食料の安全保障とが対立しうる課題であることを意味しており、より多角的な検討が必要であるとの認識にいたった。また、インドネシアにおいてナマコや鯨類などを中心とした希少生態資源の利用に関する環境NGOの対応について実態調査をおこなった。
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