研究課題/領域番号 |
21310163
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
土屋 由香 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90263631)
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研究分担者 |
吉見 俊哉 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (40201040)
中村 秀之 立教大学, 現代心理学部, 教授 (00299025)
原田 健一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (70449255)
谷川 建司 早稲田大学, 政治経済学術院, 客員教授 (10361289)
小林 聡明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 学術研究員 (00514499)
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キーワード | 広報外交 / 文化外交 / ドキュメンタリー映画 / 冷戦研究 / アメリカ研究 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
ドキュメンタリー映画とラジオ放送に焦点を当て、占領期~ポスト占領期米国の対外広報宣伝政策について共同研究を行う本プロジェクトは、米国の対外広報宣伝の国際比較を行い、冷戦史に新たな光を当てるとともに、ドキュメンタリー映画史の新たな側面を開拓するという点で、最終年度にふさわしい成果を上げた。 具体的には2011年5月30日、東京大学情報学環にて研究会を開催し、各自の研究進捗状況について報告を行うとともに、最終年度のシンポジウム開催および成果刊行について打合せを行った。7月~11月にかけて各自、追加的な資料調査を国内外で行うと同時に、研究代表者の土屋は成果の一部を7月24日南山大学で開催されたアメリカ研究者夏季セミナーで英語発表した。最終シンポジウムと書籍の刊行を目指して各自論文の執筆を進める一方、出版社との交渉を行った。9月~10月にかけて順次論文が完成し、海外研究協力者(ケネス・オズグッド、メアリー・ルー、ホ・ウンの3名)の論文については翻訳者を雇用して日本語に訳した。 論文集刊行に向けての準備を進めるいっぽう、2012年3月4日、東京大学大学院情報学環および井川科研との共催で、最終シンポジウム「占領する眼・占領する声-CIE/USIS映画とVOAラジオ」を開催した。研究分担者全員に加えて、研究協力者の身崎・とちぎ、海外研究協力者のホ・ウン(韓国)もパネリストとして参加し、3年間の研究成果を公開した。コメンテーターとして韓国・ソウル大学から鄭容郁教授および早稲田大学の土屋礼子教授を招いた。またCIE映画の上映も併せて行った。100名以上の参加者を得て、実りあるディスカッションを行うことができた。その後も3年間の成果をまとめた論文集の編集作業を引き続き進めており、最終的には2012年6月に刊行予定である。 3年間を通じて、メディア研究、映画史研究、アメリカ研究、アジア研究、アーカイブ学などの異分野の研究者による学際的研究により、冷戦初期の視聴覚メディア研究に大きな進展をもたらした。
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