4年目の最終年度である本年度においては、資料調査ならびに現地調査をおこなうとともに、まとめの研究会をおこない、成果を確認した。 資料調査については前年度に引き続き、アメリカ国立公文書館サンブルーノ分館ならびに議会図書館、ニューヨーク市立図書館や、各国の女性平和NGOその他において日本を含め世界各地の米軍関係資料、議会報告、雑誌記事などを収集した。米国立公文書館サンブルーノ分館などでは、主に沖縄を含めた太平洋地域における米海軍の性売買や性暴力に関する資料を収集した。ニューヨーク市立図書館では、第一次世界大戦期における米軍訓練基地周辺での売春取り締まりや、戦後のアメリカ海軍兵士についての関連史料を調査した。「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク」に参加している、各国の米軍基地問題に取り組んでいるNGOの資料を収集し、米軍側の資料からは得られない情報を得ることができた。また日本国内では、岩国、呉などの広島湾地域、ならびに福生、立川、酒田、新潟などの米軍と米軍向け慰安所など基地関係の新聞資料や行政文書なども引き続き収集し、聞き取り調査もおこなった。 以上の4年間の調査研究活動を通じて、多くの資料を収集することができ、また各地の研究者や市民団体とも連絡がとれ、さらなる研究のためのステップとすることができた。まだ十分に収集した資料を活用しきれていないので、今後、研究成果として社会に還元していきたい。
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