研究課題/領域番号 |
21320002
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野家 啓一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40103220)
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研究分担者 |
座小田 豊 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20125579)
直江 清隆 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30312169)
長谷川 公一 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00164814)
小林 傳司 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 教授 (70195791)
八木 絵香 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 特任准教授 (30420425)
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キーワード | 討議倫理 / 技術倫理 / 哲学 |
研究概要 |
本研究の目的は、科学技術と社会との関わりについて、科学技術内部での意思形成過程と、これを受け入れる社会の側での合意形成過程という、二つの異なった対話空間の間にある種の位相差や齟齬が見いだされる点に着眼し、これら二つの対話空間を通約して公共空間を形成しうる対話形成の可能性を理論的、実践的に検討することである。高レベル放射性廃棄物地層処理を巡る科学コミュニケーションが困難に陥っているという現状認識から、そこに内在する諸問題を明らかにする作業を平成22年に開始していたが、当初はこれを平成23年度にも継続する予定であった。ところが、平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、それに続いて福島第一原子力発電所事故が起こったため、検討するべき課題を東日本大震災後の社会情勢に見られる倫理的課題と科学コミュニケーション上の問題に広げる必要が生じた。そこで、まず平成23年7月2日に、竹内整一氏(鎌倉女子大教授)に「大震災と日本人」というテーマで研究発表をおこなってもらい、東日本大震災に対する日本人の倫理面からの理解のあり方を検討した。続いて、10月10日に、東京大学原子力グローバルCOEプログラムに所属し、原子力専門家と社会、原子力推進派と反対派などの媒介役としての役割を果たそうと努力してきた神里達博氏(東京大学大学院工学系研究科特任准教授)から、原子力工学分野における科学コミュニケーションの実践事例とその課題について、報告をしてもらった(講演タイトルは「原子力工学分野におけるSTS的コミュニケーションの可能性」)。 また、平成24年2月22日に、科学技術によって生み出される人工物の性質や、人工物が社会の中で果たす機能を哲学観点から検討するための国際ワークショップを開催した。講演者、講演タイトルは以下の通りである。Prof. Peter Kroes(Delft University of Technology), "Engineering and the dual nature of technical artifacts"; Prof. Junichi Murata(Rissho University), "The question concerning technology: What should we learn from the accident of the nuclear power station in Fukushima?"
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