研究課題/領域番号 |
21320003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 純一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40134407)
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研究分担者 |
河野 哲也 立教大学, 文学部, 教授 (60384715)
染谷 昌義 高千穂大学, 人間科学部, 准教授 (60422367)
長滝 祥司 中京大学, 国際教養学部, 教授 (40288436)
佐々木 正人 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (10134248)
三嶋 博之 早稲田大学, 人間科学学術研究院, 准教授 (90288051)
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キーワード | 生態学的アプローチ / 技術哲学 / アフォーダンス / 知覚 / 運動 / 建築 / 照明 |
研究概要 |
本年度は、哲学的・理論的観点と経験科学的観点を結合させることによって、生態学的現象学の内実を具体化することを主な目標として研究会を行った。7月の研究会では、生態学的観点からの経験概念とその技術哲学的意義の分析(染谷昌義)、および、空間把握に関しての影の役割の分析(柴田崇)の発表が行われた。12月の研究会では、埼玉大学の加地大介教授を招いて、環境の構成要素として重要な『穴』の存在論的意義についての発表を頂き、それをもとにしての乳児の食器の使い方に見られる行動発達の分析の発表がなされた(青木洋子)。3月12日には総合的シンポジウム「身体運動、ユニバーサルデザイン、アフォーダンス」を予定していたが、地震の影響で延期となった。そのほか、1月19日にはフランスの心理学者Blandine Bril氏の講演会A functional perspective on tool use : the case of stone knappingを開催した。ここでは石器の製作の分析に生態学的観点がどこまで有意義かが議論された。また、3月7日、9日、11日にはイギリスの哲学者Andy Clark氏を招いて、連続講演会・研究会を開催した。ここでは、「拡張された心」という生態学的観点と類似の観点を提起している著名な哲学者Clark氏の見解をめぐって、有意義な議論が展開された。以上のような成果をもとにして、来年度からは、生態学的現象学の観点をユニバーサルデザインのような実践的な技術観とっき合わせる作業へと進むことを予定している。
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