研究課題/領域番号 |
21320006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊原 哲也 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20205727)
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研究分担者 |
村上 靖彦 大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 准教授 (30328679)
西村 ユミ 大阪大学, コミュニケーションデザイン・センター, 准教授 (00257271)
守田 美奈子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (50288065)
浜渦 辰二 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70218527)
前野 竜太郎 聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (50347184)
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キーワード | ケア / 臨床実践 / 現象学的研究 / セルフケア / 痛み / ソーシャルワーク / 理学療法 / 災害 |
研究概要 |
最終年度である本年度は、平成21、22年度の研究活動を受けて、共同の研究会において、ケアの現象学に関する各自の個別研究をさらに互いに検討しあい、新たな、広い意味での「ケアの現象学」の形成に向けて、共同でその方向性を探り、研究成果をまとめることを目指した。東日本大震災の影響が案じられたが、計3回の研究会を開催することができ、昨年度に引き続き、外部の看護学や心理臨床の研究者を招いて、研究交流と情報交換を行った。 なお上記の活動と共に、各分担者が本年度に行った個別研究は以下のとおりである。代表者、榊原哲也は、本研究を統括し、方法についての考察を深めつつ、自殺に傾く人や不安障害患者のケアに関する現象学的考察を行った。分担者、浜渦辰二は、高齢社会における医療・看護・介護に焦点を当てながら、現代のケア学と臨床的場面とを照らし合わせつつ、ケアへの現象学的アプローチを検討した。分担者、西村ユミは、現象学的研究の方法論、及び看護実践の編成を仕方について、看護師のインタビューデータをもとに検討した。分担者、守田美奈子は、緩和ケア病棟でのフィールドワークと看護師9名にインタビューを行い、そのデータをもとに緩和ケアの実践知について検討した。分担者、和田渡は、看護師がよりよい看護を行うために必要と考えられるセルフケアに関する問題について検討した。分担者、村上靖彦は、看護師・助産師へのインタビューを行うとともに、看護研究における現象学の使用に関する方法論的な考察を行った。分担者、福田俊子は、ソーシャルワーカーのインタビューデータをもとに、専門職業的自己の生成プロセスを受動性や痛みの観点で検討した。分担者、前野竜太郎は、重症心身障害,ALS,筋ジスなどの障がいが慢性重度化した患者に対して,どのような「ケアの現象学」的アプローチが可能なのかを探究した。分担者、西村高宏は、前年度の研究成果を踏まえながら、「道徳的アイデンティティ」と「自己-形成」に関する議論を展開し、ケア理論の可能性についての考察を行った。
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