研究課題
本研究が主題とする「和解」概念の直接の出所は、マイヤー=アービッヒ著『自然との和解への道』(みすず書房、2005/06)にある。本研究は同概念をさらに拡張し、「人間と人間の和解」、「人間と科学の和解」、「大人と子供の和解」、「人間と神の和解」など、政治領域、社会領域、生命領域、環境領域、教育領域、宗教領域を統合する鍵として「和解」概念を位置づけることを目標に掲げている。特に、三か年計画の折り返しに当たる平成22年度においては、これら各領域における「和解」概念のとらえ直しを目指した研究実施計画に沿って、幅広い研究成果を論文・口頭発表・翻訳の形で公表することができた(詳細は次頁)。しかしながら、研究課題の副題に「平和への応用倫理学的アプローチ」と銘打たれているように、平成21年度に引き続き、平成22年度においても、「平和としての和解」概念が研究活動の中心となった。例えば、2010年9月26日に「正戦論」をテーマに実施されたシンポジウムでは、加藤尚武氏によるコーディネート、および越智貢氏司会の下、濱井潤也氏、硲智樹氏、眞嶋俊造氏、大田義器氏が提題者となり、「和解」概念の歴史的、理論的、実践的意義について活発な議論が展開された。また12月に開催された研究会では、フランクフルト大学神学部トーマス・シュライエック教授の講演「平和および和解へ向かう過程における新たな道具としての真実究明委員会ラテンアメリカにおける『移行期の正義』の経験ペルーを例に」を叩き台として、現実的な場面での「和解」概念の具体化可能性について模索した。この領域に関する研究が、これ以外の特定領域における「和解」概念深化のモデルとなり、最終年度における領域統合に寄与することが期待できる。
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