中国道教における山岳信仰と宗教施設のネットワークに関する総合的調査と研究

2009 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 21320013
• 研究機関: 専修大学
• 研究代表者: 土屋 昌明 専修大学, 経済学部, 教授 (80249268)
• 研究分担者: 鈴木 健郎 専修大学, 商学部, 講師 (40439518) ; 大形 徹 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (60152063) ; 横手 裕 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (10240201) ; 二階堂 善弘 関西大学, 文学部, 教授 (70292258) ; 山下 一夫 神田外語大学, 外国語学部, 講師 (20383383)
• キーワード: 道教 / 洞天 / 宗教施設 / 天台山 / 括蒼山 / 委羽山 / 国際研究者交流 / フランス:中国

研究概要

各研究分担者は担当している時代の文献において、本研究に関連する記載を収集し、その内容がどのようであるかを分析した。それにもとづき、そうした記載のデータベース化が可能か、合同の研究会で検討した。
本年の研究計画の予定通り、本研究にとって重要な天台山・括蒼山・委羽山の3カ所について実地踏査をした。現地における道教施設の現状および景観を調査し、それに関わる文献資料との対照をおこなった。
フランス国立高等実践学院のジョン・ラガウエイ教授を招き、現在教授が進めている中国宗教史のコンセプトについて議論する研究会を開催した。その序文について翻訳をおこなった。また、大阪市立美術館で開催された「道教の美術」展に教授とともに参加し、宗教施設のネットワークにとって重要な道教の美術品の特性について討論した。
また、北京大学の李松教授を招き、現在進めている中国道教美術史のコンセプトについて議論する研究会を開催した。また、大阪市立美術館の同上の展覧会に参加し、如上の問題について意見交換をした。ほかに、東京国立博物館所蔵の資料を実地に調査した。
以上の研究活動によって、本研究が目的とする中国道教の十大洞天のうち、3カ所を実地調査して文献との照合を進めることができた。また、宗教施設にとって重要な美術品・実物資料について基本的な認識と研究者間の意見交換を進めることができた。こうした成果は、十大洞天の一端を明らかにする作業であり、また本研究が成果をまとめ、国際的な研究者間の情報交換を達成するためにも重要である。