研究課題
・本科研の研究会は、予定通り年三回開催し、それぞれ分担して進めている調査研究の途中経過および現段階で指摘できる新たな知見などに関する報告を行った。この機会は、関心ある周辺研究者にもオブザーバーとしての参加機会を設けており、それぞれの発表内容に対して、異分野からの深い意見交換が行われている。このような集まりを今後恒常化させる意味から、日本葬送墓制研究会(仮称)の設立も毎回話し合われており、数年後に実現する計画である。・墓石調査はまず、8月に仙台市内の三ヶ所の市営墓地の墓石悉皆調査を完了し、そこで得られたデータの打ち込み作業を実施中である。また千葉県市川市の寺院墓地、および大阪市南霊園における墓石調査を開始した。後二者の調査は平成24年度まで継続して行う予定であるが、これらの墓地は近世・近代・現代に渡る長い歴史をもつ点に特徴があり、これらの悉皆調査が実現することで、わが国における墓制の変化を地域的な文化を加味して明らかにすることが可能となる、日本初の試みとなっている。・全国の葬儀社対象の郵送によるアンケート調査の準備は予定通りに進んでおり、質問項目の決定、対象となる葬送業者のリストアップを実施中で、来年度に実施予定である。・2月に実施した、葬墓制に関する全国調査の結果は現在整理までにデータの打ち込みが終了しており、SPSSを使用した分析を開始しつつある段階である。この成果がまとまると、以前2003年にわれわれが科研(A)で行った全国調査の成果との比較が可能となり、現代日本人の葬送墓制に対する意識変化の先端部分を明らかにすることが可能となる。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)
ノマド化する宗教浮遊する共同性-現代東北アジアにおける『救い』の位相-
ページ: 9-37