研究課題
前年度までと同様、メンバーを「葬送班」と「墓制班」に二分し、各班ごとの共同研究作業を行うと同時に、全体会において研究成果を発表し合い、統合的な討論を行うことで、研究のより精緻化を目指してきた。しかし、年度が始まる直前の3月、東日本大震災が勃発したために、研究代表者の所属する東北大学は大きな被害を受け、本研究プロジェクトの研究作業が半年余り中断されることになった。他のメンバーの多くも、震災の影響で通常の研究環境が確保できず、その意味で本年の研究は、未完成のままに繰越課題となった点が含まれた。「葬送班」は、葬儀社に対する郵送調査を実施する予定であったが、研究メンバーの打合せ機会が秋まで設定できず、質問項目の検討に手間取ることとなった。最終的には、質問項目も第7版まで検討してブラシュアップを図ってきたが、最終的な質問項目作成は、次年度に持ち越すこととなった。「墓制班」は東京下町の近世から続く寺院墓地と前年度から始めている大阪府内の公営墓地「大阪南霊園」の墓石悉皆調査を実施した。前者に関しては震災後の影響もあってなかなか協力の得られる寺院が見つからず、対象を川を挟んだ対岸の千葉県に移して検討することにした。その結果千葉県松戸市の自在院から協力の申し出をいただくことができ、夏休みから谷川・朽木両先生の指示のもと悉皆調査を開始した。また大阪南霊園の悉皆調査についても、槇村先生が中心となって昨年度に続く悉皆調査に着手した。ただし、両墓地とも墓石数が多く、完成は次年度に持ち越すこととなった。翌24年度は、本研究課題の最終年度に相当するため、国際シンポジウムでその成果を発表した。そのため、全体会を中心に準備作業に着手した。その結果、中国・韓国・台湾から研究者を招請し、7月に大正大学を会場に国立歴史民俗博物館との共催という形で実施した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Commemorating the Dead in a Time of Global Crisis Egypt and Japan in 2011
巻: - ページ: 93-105
『日本民俗学』
巻: 270 ページ: 232-237
『エジプト・日本学術シンポジウム死者の追悼と文明の岐路2011年 予稿集』
巻: - ページ: 83-94
『死の臨床』
巻: 57 ページ: 20-21