研究課題/領域番号 |
21320024
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
吉田 一彦 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (40230726)
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研究分担者 |
上島 享 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60285244)
脊古 真哉 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 研究員 (20448707)
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キーワード | 神仏習合 / 仏教史 / 文化交流 / 本地垂迹 / 宗教儀礼 / 絵画史料 / 得度制度 / 日本書紀 |
研究概要 |
本年度は、研究代表者の長編連載論文「『日本書紀』仏教伝来記事と末法思想」が完結し、『日本書紀』の神仏関係についての記述を中国文献と比較して理解、評価する見解が提示できたのが大きな成果であった。この見解については、2010年刊行の叢書『新アジア仏教史』の日本Iにおいても、「仏教の伝来と流通」と題して詳説し、広く社会に研究成果を問うている。研究分担者の上島享は、2010年2月刊行の学術書『日本中世社会の形成と王権』(名古屋大学出版会、950ページ)の研究成果を、やはり同叢書日本Iに「仏教の日本化」と題して発表し、平安時代の仏教と神祇祭祀の展開について論じた。また吉田と上島は、芸能史研究会大会において平安時代の仏教儀礼について講演、発表し、宗教儀礼という側面から仏教法会と神社の祭について見解を示した。研究分担者の脊古、上島は、現代に残存する宗教儀礼の調査を実施し、その成果をそれぞれの個別研究に反映させている。連携研究者の佐藤文子は、日本古代の得度制度の理解に関する見解を論文にまとめて発表した。 海外調査としては、中国河南省の寺院、史跡、韓国南部の寺院、史跡などを対象に実地踏査を実施した。韓国の調査については、2009年度分とあわせて、その調査の概略を文章化して示した。研究会では、美術史の鷹巣純氏(愛知教育大学)をお招きして、中国の水陸画および水陸会とその日本への影響について発表していただき、活発な意見交換を行なった。宗教文化の国を越えての交流の一側面について多くの知見を得ることができた。
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