研究課題
本年度は前年度に引き続いて、各研究分担者がそれぞれの課題に応じて資料収集を行ないつつ分析をすすめた。その成果は本研究課題と関連する各自の専門分野の研究に反映されている。ただし、中国では影響力のある言論活動の中心が紙媒体からウェブへと急速上に移動しつつあり、当初計画に掲げていたデータベースの作成よりも、ウェブ上の流通する重要言説の収集を優先することとした。本年度は公開の研究会(国際セミナー)を3回開催し、研究テーマに関心をもつ研究者とも意見交換につとめた。第1回は現代中国の国際社会観の持続と変化をテーマに加治宏基(研究分担者)が報告を行い、討論した。その直接の成果は加治の学会報告と論文に示されている。第2回は、日本・中国をまたいで活発な評論・研究活動を展開している林少陽氏(香港城市大学中文系副教授)を招いて、歴史叙述の方法に関する報告を求め、討論を行なった。第3回は中国で盛んに論じられている「市民社会論」をめぐり、法哲学の立場から馬長山氏(華東政法大学)に理論と現実の両面につき報告を求め、議論した。本年度の活動の中心は、前年度に招いた上海の研究者(中国のリベラル派の代表的論客である華東師範大学の許紀霖教授を中心とするグループ)との学術交流を深めるため、上海で国際シンポジウムを開催することであった。シンポジウムは「二つの世紀交替期-現代中国の思想・文化転形」と題して、清末・民国初期と今日の中国それぞれの時期の思想・文化変動を比較することを趣旨とし、報告集の作成を含めて準備を進めた。しかし、3月14日に予定されていたシンポジウムの直前に大震災が発生し、東京からの参加予定者の大部分が出発できず、シンポは次年度に延期となった(2011年5月22-23日に上海で開催した)。
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言語社会
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「韓国併合」100周年を問う-2010年国際シンポジウム
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岩波講座東アジア近現代通史戦争と改造の時代-1910年代
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