研究課題/領域番号 |
21320025
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
砂山 幸雄 愛知大学, 現代中国学部, 教授 (00236043)
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研究分担者 |
尾崎 文昭 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70126019)
坂元 ひろ子 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (30205778)
村田 雄二郎 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70190923)
高見澤 麿 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (70212016)
石井 剛 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (40409529)
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キーワード | 中国アイデンティティ / 中国価値 / グローバリゼーション |
研究概要 |
本年度はプロジェクトの最終年度に当たり、全体のまとめとして、(1)中国の文化・思想界で影響力のある知識人を招いての総括的なシンポジウムの開催、(2)各人の研究成果を反映した論文集の編集-を主要な活動とした。(1)については「中国アイデンティティの模索」をテーマに、今日の中国思想界の中心人物の一人である汪暉氏(清華大学)のほか、鋭い文化評論で知られる張旭東氏(ニューヨーク市立大学)、賀桂梅氏(北京大学)を招き、三氏のペーパーに対する日本側研究者のコメントを中心に議論を展開した。シンポジウムの議論を通じて、今日の中国が直面しているアイデンティティ危機とその再構築をめぐる知的営為の一端を浮き彫りにすることができた。なお、本研究プロジェクトと中国社会文化学会との共催で、汪暉氏と柄谷行人氏による講演会を開催した(2011年12月17日、東大駒場)。これはグローバリゼーションのなかで東アジアが直面している文化的、政治的諸問題を、日中を代表する批判的知識人に論じてもらおうという企画で、中国社会文化学会として異例の約300人の聴衆を集めた。(2)については、今回のシンポジウムと5月の上海での国際シンポジウム「二つの世紀交替期」(平成22年度の実績報告書に記載したように、もともと2011年3月に開催予定であったが、大震災の関係で延期となっていた)に提出されたペーパーを中心に重要論文を翻訳し、さらに解題、分析論文を加えて雑誌『思想』(岩波書店)に特集号として発表する予定である(刊行は2012年度中を予定)。 本年度は以上の活動のほか、2回の研究会を開催した。7月には尾崎文昭(研究分担者)が、1990年代に刊行されたユニークな学術叢書『学人』に関する調査結果を報告し、9月には聶莉莉氏(東京女子大学)による中国リベラリズムの重要人物潘光旦とその周辺の人物に関する報告を聞き、討論をおこなった。
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