研究課題/領域番号 |
21320030
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
日高 薫 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (80230944)
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研究分担者 |
山崎 剛 金沢美術工芸大学, 美術学部, 准教授 (70210391)
荒川 正明 学習院大学, 文学部, 教授 (70392884)
澤田 和人 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (80353374)
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キーワード | 東西交流 / 工芸 / 交易 / 漆器 / 磁器 / 室内装飾 |
研究概要 |
平成21年度の主要な成果は、ドイツ国内に現存する漆の間・磁器室・鏡の間などのシノワズリ室内装飾の調査と、それを構成する日本製磁器および漆器、中国・西洋製などの工芸品の調査を行ったことである。(訪問先は、ドレスデン国立美術館磁器コレクション館、ザクセン州立・国立・大学図書館、ヴァイカースハイム城、アルンシュタット城美術館「新宮殿」、バイロイト城、バイロイト・エルミタージュ城、バンベルク・新レジデンス、ファヴォリテ城、ラシュタット城、ニュンフェンブルク城、ミュンヘン・レジデンス美術館、ルードヴィックスブルク城) 磁器班は、主として、磁器の間の装飾に用いられた日本製磁器の年代・産地・特色を精査するとともに、日本製と中国製の磁器がどのように配置され、空間を構成しているかに注目し、当時のヨーロッパの嗜好が日本磁器の造形にどのような影響を及ぼしていたかを検証した。 漆器班は、18世紀ヨーロッパのロココ美術の一分野としてシノワズリがどのように表現され、漆を用いた装飾がいかに機能していたかについて、個々の漆の間の事例における注文者の意図や、装飾の源泉、選択された技法等を通じて検討した。 また、ラシュタットのファボリテ城内の「日本の間」の壁面に貼り付けられた日本製の押絵について調査した結果、国内には伝世例がほとんどない極めて上質な押絵遺品であり、なおかつ制作工房が確認できる貴重な遺例と位置付けることができたことは特筆される。
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