研究課題/領域番号 |
21320030
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
日高 薫 国立歴史民俗博物館, 研究部, 教授 (80230944)
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研究分担者 |
山崎 剛 金沢美術工芸大学, 美術学部, 准教授 (70210391)
荒川 正明 学習院大学, 文学部, 教授 (70392884)
澤田 和人 国立歴史民俗博物館, 研究部, 准教授 (80353374)
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キーワード | 東西交流 / 工芸 / 交易 / 漆器 / 磁器 / 室内装飾 |
研究概要 |
平成23年度の主要な成果は、スウェーデン国内に現存する中国の間などのシノワズリ室内装飾の調査と、それを構成する日本製磁器および漆器、中国・西洋製などの工芸品の調査を行ったことである。調査方法は昨年度同様、磁器班、漆器班を中心におこない、あわせて染織班は美術館が所蔵する中国の交易染織品の調査をおこなった。訪問先は、以下の通り。各機関において現地研究者との意見交換をおこなった。 【ストックホルム】スコックロスタ城(漆器・磁器などの調査)、ストックホルム東洋美術館(漆器・磁器・染織品の調査)、国立歴史博物館(染織品の調査)、ドロットニングホルム宮殿(中国離宮の室内装飾および日本・中国製磁器・その他の工芸品の調査) 【ヨーテボリ】ヨーテボリ市立博物館(漆器・磁器の調査)、ヨーテボリ海洋博物館、ルスカ美術工芸博物館 【ウプサラ】リンネ博物館(日本コレクションの調査)、ウプサラ大学博物館 なお、本年度は、ジャポニスム学会のシンポジウムへの協力、および羽田科研(文部科学省日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(S)(研究代表者:東京大学羽田正教授「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」)との共催によるワークショップを開催し、本研究による成果の一部を公表するとともに、隣接領域の研究者との交流をはかることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査・研究は順調に進展しており、調査先からの協力も得られている。ただし、当初予定していた中国での調査は、所蔵先との交渉が難航しており、研究期間中に調査研究を遂行することは困難と推測される。
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今後の研究の推進方策 |
王侯貴族の所有になっているなど、調査の許可を受けることが容易でない調査対象については、時間をかけて交渉していく以外、方策はない。本研究に着手してみて、当初の計画以上に本研究テーマが大きな広がりをもつことが判明した。また、調査先の研究者との情報交換によって、新たに調査をおこなう価値のある対象が多く存在することがわかってきたため、来年度以降も、目的を明確化しつつ、着手できるところから研究を継続していきたい。
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