研究課題
「研究実施計画」に沿って、本年度は1回の記念講演(於大阪府大)、1回の企画展(「物語と絵画」展・於文華館)、2回の研究会を開催し、研究状況と問題点の確認を行った。年度末には海外調査を行い、チェスター・ビーティー・ライブラリー(以下CBLと略称)及び大英博物館の所蔵する物語絵・説話画関連作品を調査した。その結果、伊勢物語の絵画化、中国の説話画、テキストの絵画化に関する問題点を確認し、次年度以降の研究の基礎的作業が進んだ。また鈴鹿文庫目録作成調査は、散文・韻文分野から行い、目録の必要事項を確認した。特に海外調査においては、以下の2点が判明した。1)既知の国内蔵奈良絵本作品とCBL及び大英博物館の所蔵品に類似画風や詞書装飾を複数発見し、江戸前期奈良絵本制作工房を考える上での基準作品群を複数設定することができた。2)CBL所蔵《双六絵五十三次》完本の調査により、箱根町立郷土資料館所蔵の不完全本が双六でありながら絵半切(えばんぎれ)に使用されていること、神奈川県立歴史博物館蔵本は文政期の後印改竄本で狂歌が新たに摺りこまれていることが判明し、絵双六が改変される例が初めて明らかとなった。
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大和文華 121
ページ: 35-52
百舌鳥国文 21
ページ: 1-20
http://www.21c.osakafu-u.ac.jp/831/