研究課題/領域番号 |
21320037
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
桂 英史 東京芸術大学, 大学院・映像研究科, 教授 (60204450)
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研究分担者 |
田甫 律子 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30130785)
西條 朋行 日本医科大学, 医学部, 助教 (50373014)
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キーワード | アートプロジェクト / コミュニテ・ケア / 相互作用 / ナラティブ / 地域医療 |
研究概要 |
芸術表現の機会創出(アートプロジェクト)の場、あるいは医療の現場(臨床)において発揮されている技芸(アート)そのものを「芸術の臨床」と位置づけ、地域基幹病院をプロジェクト実践の本拠に据え、地域の医療施設と既成の原理を超えた、その実践的方法論を開発研究する目的で、以下の実践研究を行った。1.医療面接における治療者の継時的撮影・編集・解析に関しては、約14回の精神科面接において、治療者の映像と音声を撮影、録音し、その集められたナラティブからプレリミナリーに、formalでprivateな相互作用について検討した。しかしながら、クラスター分析、要素分析を詳細に行うためには、さらなる撮影が必要であった。2.アートプロジェクト企画・調整および実践に関しては、地域医療の中核となっているメンタルクリニックのデイケア施設において、写真撮影のワークショップを継続的に行い、現在は、新たにビデオ撮影のワークショップを開始している。今後も、それらを継続し、その結果をまとめて検討する他、さらにはコミュニティ・ケアへ発展していけるようにその方法を検討中である。3.比較研究とその評価に関しては、現在までに、海外、国内において行われてきた、芸術と臨床のコラボレーションを概観し、1本の新規論文を投稿中である。4.研究会の開催とドキュメンテーション(アーカイヴ設計)および成果発表に関しては、モロッコにおける世界社会精神医学会にてEthno-practice for Clinical Psychiatry and Art Projectのタイトルで発表を行った。さらには現在、最終年度に向けて「セルフドキュメンタリー」の手法に基づく、革新的な映像記録の実験を進行している。
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