研究課題/領域番号 |
21320051
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小峯 和明 立教大学, 文学部, 教授 (70127827)
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研究分担者 |
渡辺 憲司 立教大学, 文学部, 教授 (00123761)
金 文京 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (60127074)
増尾 伸一郎 東京成徳大学, 人文学部, 教授 (60183943)
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キーワード | <予言文学> / 東アジア / 今昔物語集 / 琉球文学 / 北京日本学研究センター / ロンドン大学SOAS |
研究概要 |
本年度の研究実績の概要は以下のごとくである。 1.日本及び東アジアとりわけ中国と韓国・朝鮮を主とする<予言文学>の範疇の策定とそれに関連する資料群の基礎データを作成した。 2.上記にもとづき、基礎的、もしくは必須の<予言文学>に関する資料、図書類を購入した。中国では現在も生き続けている予言書、占い書などを直接入手し、大部の予言書集成なども購入することができ、研究状況もおおよそ掌握することができた。 3.国内調査は、沖縄を対象に1月に実施し、琉球文学と<予言文学>に関する資料調査を琉球大学附属図書館、沖縄県立博物などで行い、重要な資料データを収集した。 4.海外調査は、2月にロンドンの大英図書館、大英博物館で資料調査を行い、あわせてロンドン大学SOASでロンドン時代の南方熊楠をテーマに学会発表を行った。熊楠が残した膨大なロンドン抜書には<予言文学>にかかわるものがあることが判明した。大英博物館はデジタルカメラの撮影ができたが、大英図書館は撮影が許可されず複写も高額なため断念せざるをえなかった。 5.10月に説話文学会例会で朝鮮説話をテーマにシンポジウムを開催、韓国から2名の研究者を招聘、<予言文学>にかかわる報告と討論を実施した。 6.3月に北京外国語大学の北京日本学研究センターで「東アジアの今昔物語集と<予言文学>」のテーマで国際学会を三日間にわたり、開催した。 なかでも5は、従来日本で一般化されていない韓国古典における<予言文学>の様相がうかがえ、説話研究の状況とあわせ、大変反響があった。6は、日本から発表・司会あわせて15名参加、中国は新進の4名の発表があり、さらに、韓国・ベトナムからも参加があり、盛況であり、射程の深い問題提起と活発な議論がかわされ、刺激的で充実したものとなり、これをもとに出版を企画することになった。まずは好調なスタートを切れた一年であったといえる。
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