研究課題/領域番号 |
21320058
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大石 和欣 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50348380)
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研究分担者 |
アルヴィ なほ子 東京大学, 総合分科研究科, 准教授 (20313174)
笹川 浩 中央大学, 商学部, 教授 (30235288)
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60316031)
園田 暁子 中京大学, 国際教養学部, 准教授 (00434564)
VALLINS David 広島大学, 文学研究科, 教授 (70403623)
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キーワード | コウルリッジ / ユニタリアニズム / ロマン主義 / 他文化 / 多文化 / イギリス帝国主義 / 地政学 / サウジー |
研究概要 |
本年度は大石(研究代表者)を中心に、計画に従って、コウルリッジの作品における他文化(=多文化)的要素を分類した上で、研究グループごとに調査を進めた。全体の研究会は東京において2回開催し、それ以外はそれぞれの研究グループで適宜意見交換を行いつつ、シンポジウム1回、招聘講演4回を開催した。 コウルリッジの初期のユニタリアニズムへの傾倒の中に見られる異質な福音主義的要素、その他文化性=多文化性について大石、直原、藤井が調査を行い、論文・口頭発表を行った。また、18世紀末から19世紀のイギリスが経験する地政学的変容と他文化の受容とコウルリッジについて、アルヴィおよび大石、勝山が調査を進め、論文として発表した。吉川はコウルリッジやワーズワスの詩作品に使われる庭園のイメージに包摂された他文化性=多文化性について優れた考察を論文の形で発表した。笹川は17世紀からコウルリッジを初めとするロマン主義に流れ込む思想的系譜について論文集を編集し、勝山は植物学との関連を、園田はサウジーとコウルリッジとの対比を論文・学会発表として発表した。 また、シンポジウムを1回、公開講演会3回を研究会に合わせて開催した。平成22年度に繰り越した予算については、直原が大石の代理として学会発表を行うことになった。 研究一年目としては極めて高質かつ多くの業績を上げることができたと自負しているが、コウルリッジの思想的ダイナミズムの一部を考察したに留まっており、ドイツ観念論や同時代のアジアへの眼差しとの関連性については、まだ明瞭な考察ができていない。現在の課題として研究を進めている。
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