研究課題/領域番号 |
21320060
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳二 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30282544)
|
研究分担者 |
富永 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (30145213)
増田 眞 京都大学, 文学研究科, 准教授 (10238909)
王寺 賢太 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (90402809)
逸見 龍生 新潟大学大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60251782)
辻部 大介 福岡大学, 人文学部, 准教授 (30313183)
|
キーワード | 啓蒙思想 / 戦争 / 平和 / ルソー / カント / モンテスキュー / ディドロ / ラディカルな啓蒙 |
研究概要 |
昨年度(初年度)に北大で開催した全体研究会で、戦争論平和論の新しい理論地平が明らかになった。それは、フランスのブルーノ・ベルナルディが中心となって進めているルソーの全面的読み直しと連動するものである。これに続いて、平威22年度においては、「戦争」と「法・権利」との関係がどのように18世紀フランス啓蒙思想において表象されていたかに焦点を当てて、研究を発展させることができた。ルソーにおける戦争状態と法の関係の考察を、より広い政治的運関において位置づけるという成果を上げることができた。とりわけマキャベリからの流れとホッブスとスピノザの契約思想の問題が、それぞれ18世紀における「戦争論」もしくは「法」状態(さらには、近年においてジョルジョ・アガンベンが『ホモ・サケル』などの法制史・社会哲学史研究で明らかにした、契約の暴力的停止を示す「例外状態」と呼ばれる状態)の問題として把握されるという見通しを得た。本年度は、昨年フランス存外研究を通じて本課題を深化させた王寺氏によるマキャベリ研究が期待されるし、本年6月には、京都大学においてボルドー大学教員セリーヌ・スペクトール氏(18世紀政治思想史専攻)を招いての国際シンポジウム・研究集会も企画しており、戦争と平和表象の大きな転換が18世紀啓蒙思想において生じていたことがをこれからも精力的に示していきたい。なお、本年の東日本大震災の影響で、3月期に予定していた研究会が開催できないというアクシデントにみまわれたが、今年度夏までにこれらの予定を消化する見通しである。
|