研究課題/領域番号 |
21320061
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
望月 恒子 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (90261255)
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研究分担者 |
諫早 勇一 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 教授 (80011378)
谷古宇 尚 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (60322872)
中村 唯史 山形大学, 人文学部, 教授 (20250962)
岩本 和久 稚内北星学園大学, 情報メディア学部, 教授 (40289715)
越野 剛 北海道大学, スラブ研究センター, 助教 (90513242)
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キーワード | ロシア文化 / 辺境 / 文化接触 / 亡命 |
研究概要 |
1.辺境と異境におけるロシア文化の研究に当たり、23年度は国外のロシア文化に重点を置いた。2012年2月17・18日、3科研合同研究会「亡命と移動の視点から見たロシア」を北海道大学で開催した。研究代表者・望月恒子、研究分担者・諌早勇一ほか6名が研究報告を行った。同研究会の成果は以下の通りである。 (1)文学・演劇・映画・ジャーナリズム・宗教など多岐のジャンルにわたって、ヨーロッパ・極東・サハリンなど様々な地域の亡命ロシア文化について、総合的に考察した。 (2)サハリン国立大学のE.イコンニコヴァ、N.ポタポヴァにも報告を行ってもらい、本研究について国外の研究者との連携を深めた。 研究会の成果は、平成24年5月に研究報告集として公刊する準備を進めている。 2.項目13.に記載した通り、査読論文4本を含め、計16本の学術論文を発表、海外で開催された国際学会での発表7本、招待講演4本を含め、計16本の研究報告を行うなど、業績発表を積極的に行った。望月恒子と研究協力者・塚田力が、中国の学術雑誌「俄羅斯文芸」に論文を寄稿した。これは22年度に行った中国人研究者との研究交流の成果でもあり、亡命ロシア文化研究に関する中国とロシアの合同研究の場に、日本からも成果を発表することができた。 3.海外での現地調査を積極的に行った。望月はパリとウクライナで亡命ロシア文学についてイワン・ブーニン研究を中心に、諫早は両大戦間のベルリン・プラハ等における亡命ロシア文化について、井澗はウクライナのハリコフで建築物の現地調査を行い、谷古宇はサハリンでロシア芸術家同盟サハリン支部と情報交換を行った。それぞれに現地研究者と研究交流を行った。これまでに訪問・招へいしたロシア・フランス・ウクライナ・中国の研究者との研究上の結びつきは、ますます強くなってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研では、平成21年度にサハリン・極東におけるロシア文化と異文化の邂逅、22年度にベラルーシ・ウクライナにおけるロシア文化と民族アイデンティティ、23年度に国外におけるロシア文化と「他者」の関係の研究を重点的に行ってきた。各年度に、それぞれのテーマで研究報告会や国際研究集会を開催し、その成果を研究報告集の形で公刊してきた。すでに2冊を刊行、3冊目を準備中であり、日本におけるロシア亡命文化研究の基盤を着実に構築している。研究代表者・分担者各人の研究成果も順調に公表されている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である平成24年度は、7月に国際研究集会を北海道大学で開催する予定でる。ロシアから、B.ラーニン(ロシア教育アカデミー)、T.ニコノヴァ、O.ベルドニコヴァ(ともにヴォロネジ州立大学)の3氏を招聘予定である。3氏ともに、国外ロシア文化に関してロシアを代表する研究者であり、日本側の研究報告も含めて、これまでの研究活動の集大成としたいと考えている。その成果は今秋をめどに研究報告集の形で公刊する。その他の研究発表および現地調査も引き続き積極的に行うこととする。
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