研究課題
辺境と異境におけるロシア文化の研究に当たり、平成24年度は、異境で展開されたロシア亡命文学の研究に重点をおいた。1.2012年7月14日に、国際研究集会「移動と亡命から見た20世紀ロシア文学」を開催した。研究代表者・望月恒子と研究分担者・岩本和久が研究報告を行った他、ボリス・ラーニン(ロシア教育アカデミー)、タマーラ・ニーコノヴァとオリガ・ベールドニコヴァ(ヴォロネジ大学)の3名の亡命文学専門家をロシアから招聘し、以下の3点について報告、討論を行った。1)第一次ロシア亡命文学(1920年代から第二次世界大戦前夜)の概括的特徴について。2)第一次ロシア亡命文学を代表するノーベル賞作家イヴァン・ブーニンの創作活動について。3)ロシア亡命文学第三の波(1970年代以降)の概括的特徴、およびその時代に国外追放された作家ソルジェニーツィンの活動について。20世紀ロシア文学の顕著な特徴となった異境における文学活動について、ロシア・欧米・日本における研究成果をもとに、報告と活発な討論を行った。本研究会の成果は、研究報告集として公刊した。2.ロシア革命後には中国にも大量の難民、亡命者が流入して、独自の文学活動を行った。これも、第一次ロシア亡命文学の重要な構成要素である。その具体的状況(創作、出版)について、研究代表者は2012年8月に中国東北部で調査を行い、さらに黒竜江省社会科学院における共同研究会に参加して、同社会科学院文学研究所の所長、研究員らと研究交流を行った。また研究協力者・塚田力は、中国からブラジルに渡ったロシア系移民の現地調査を行った。ロシア亡命文学・亡命文化の研究対象を拡張して、広い領域で調査研究を行った。先行年度と同じく、ロシア・中国の研究者との結びつきを深めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Rossica Lublinensia
巻: VII ページ: 289-296
Imagining the Landscape: Views from Aremiia and Japan
巻: なし ページ: 69-79
辺境と異境―非中心におけるロシア文化の比較研究
巻: №4 ページ: 16-24
巻: №3 ページ: 1-11
スラヴ研究
巻: 59号 ページ: 25-59
ユーラシア研究
巻: 46号 ページ: 70-71
巻: №4 ページ: 51-61
巻: №3 ページ: 12-22
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