研究課題
本年度は、7月27日に第一回の研究会を開き、高橋が世紀転換期から20年代の演劇における集団表象について、長木がアドルノのオペラ論をもとにヴァーグナー以降の集団の扱いかたについて報告を行い、分担者の間で活発な意見交換がなされた。また12月16日開催の第二回の研究会では、鍛治がベンとフェレンツィとの同時代性についての報告を行い、それに対して竹峰が映像メディアの領域との関連からコメントを加え、参加者全員で文学・芸術と学問・思想との平行性について議論を交わした。本年度は年度末にドイツ語圏から研究者を招待して「陶酔と学知」をテーマにシンポジウムを開催する予定であったが、福島の影響で招待者の目処がつかず、当初予定していた国際シンポジウムは断念せざるをえなかったが、そのかわりに3月24日にコロキウム「陶酔の演出、陶酔の思想-世紀転換期ドイツ語圏の芸術と思想」を企画し最終年度の締めくくりとした。この催しでは、高橋が当時出現した大劇場での演出について発表し、他大学から招待した中村仁がベンの詩にどのようにヒンデミットが曲をつけたかを分析した。また森田が後期ベンヤミンのなかに孕まれた技術と陶酔の問題を思想的に照らし出した。鍛治は、本年度のテーマである学知と陶酔という観点から、ベン、フェレンツィ、ユンガーの海のイメージと生物学との関係を論じた。以上のように、本年度は今まで充分に論じられてこなかった20世紀初頭の学問および技術と陶酔の関連について検討して一定の見取り図を描くことができた。また、それによって今後の新たな研究の展望を開くことが可能になった。
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http://phiz.c.u-tokyo.ac.jp/~rausch