平成23年度の活動目的は、<声>の文化が、これまでの歴史の中で、書記言語との攻防から始まり、制度的なさまざまな制約と葛藤、軋礫を繰り返してきたことを確認するとともに、文学・思想・メディア文化が<声>の根源的な力、豊饒な力をいかに再生させるために工夫してきたか、その諸相を例示し、<声>から、いかに新しい発想と表現可能性を得てきたかを、具体的なテクスト分析を通して、明らかにすることであり、そのために「<声>の制度-継承・障害・侵犯-」をテーマに、9月に新潟大学で国際シンポジウムを開催した。概要は以下の通りである。基調講演はマルティーヌ・マテユ=ジョブ(ボルドー第3大学教授)により、「言語の単一性の下におけるフランコフォニーの声の多様性について」のタイトルで行われ、第2部では、以下の5名の研究者による研究発表が行われた。 石田美紀(新潟大学人文学部准教授) 佐々木充(新潟大学人文学部教授) 中里まき子(岩手大学人文社会学部准教授) 逸見龍生(新潟大学人文学部准教授) このシンポジウムの成果は、平成24年3月に、研究報告集『声の制度-継承・障害・侵犯-』(新潟大学人文学部発行)として、刊行された。
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