研究分担者 |
伊藤 智ゆき 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20361735)
趙 義成 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (20343725)
南 潤珍 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 准教授 (30316830)
村田 寛 福岡大学, 人文学部, 准教授 (30346738)
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研究概要 |
22年度は,当初の計画通り,以下の研究・作業を行った。 1)重要朝鮮語文献の調査・電子化:原本の書誌的調査(日本・韓国)と合わせ,東京外国語大学図書館及び東京大学文学部小倉文庫所蔵朝鮮語文献の電子化(高精度デジタルカメラによる撮影)を行った。撮影文献の基礎的な書誌学的情報はリストにまとめ,一部文献については解題執筆を行った。また小倉文庫所蔵文献について,既に発表されている日本語目録とは別に,韓国語版の目録を作成した。一方,中期,近世,開化期の各種朝鮮語資料と司訳院漢学資料のテキストファイル化を進め,一部文献についてはKWIC索引を作成した。 2)小倉進平主要著作の入力:小倉進平(1944没,著作権消滅)の主要著作のうち,「郷歌及び吏読の研究」と「国語及び朝鮮語のため」について電子テキスト化し,オンラインデータベースとして公開した(http://www.krling.com/)。 3)データ類の研究現場への適用:電子化済のテキスト類を用い,朝鮮語史統語論・形態論・音韻論研究における様々なトピックについて研究を行った。例えば,中期朝鮮語各種文献に見られるアクセント研究(複合語アクセント研究,15世紀の楽譜である『致和平譜』に反映されたアクセントの研究),形態変化と類推に関する研究,漢文原典と諺解文との比較・対照研究,近代文献『捷解新語』における現在形の研究・音注とテキスト分析,開化期小説テクストに現れる否定文使用の調査・分析等を行った。これら研究を進める中で,既存データの有用な点・問題となる点の検討も行った。更に,電子化済テキスト類の全文検索と,フリーソフトによる形態素解析を試験的に行い,それにより分かち書きの単位や形態素解析用の辞書構築に関する研究も行った。
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