研究課題/領域番号 |
21320079
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研究機関 | 神田外語大学 |
研究代表者 |
遠藤 喜雄 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (50203675)
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研究分担者 |
長谷川 信子 神田外語大学, 言語科学研究科, 教授 (20208490)
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キーワード | カートグラフィー / 機能範疇 / 意味 / 統語 / ミニマリズ / インターフェイス / 副詞節 / 日本語学 |
研究概要 |
まず、カートグラフィーにおいて機能範疇が持つ意味情報について明らかにするために、形式意味論の第一人者であるPaul Portnerをアメリカより招聘して、研究集会を行った。そこでは、形式意味論にとどまらず、機能範疇に意味と統語/音声に関わる研究社を日本全国より招聘して、議論を行った(発表者:川崎典子、西垣内奉介、阿部潤、高橋将一、古川幸夫Christopher Tancredi、David Y. Oshima、中西公子、長谷川信子)。 次に、カートグラフィーと生成文法の主流をなすミニマリズムの関係を解明するために、カートグラフィーの創始者の一人であるGuglielmo Cinqueとミニマリズム研究の最先端の研究者であるCedric Boeckxをヨーロッパより招聘して、研究集会を開催した。そこでは、この2つの流派が異なる目標を設定はするが、同時並行的に研究することが可能であることが示された。新しい成果としては、類型論を構造的な派生により行う可能性が論じられた。この成果の一部は、日本言語学会におけるワークショップにおいて広く社会に還元した。同時に、遠藤と長谷川が個別に中国で開催されたGLOW in Asiaにおいて上記の分野に関わる研究成果を発表し、遠藤がベルギーで開催された国際会議GIST2において副詞節についての研究成果を発表した。これらの成果はヨーロッパの出版社から刊行される予定である。 さらには、本研究のもう一つの目的である、優れた日本語学における研究を海外に発信する、という目的を達成するために、日本語学研究の第1人者である益岡隆志、森山卓郎、井上和子を招聘して、特に名詞修飾節について研究集会を行った。そこでは、遠藤が益岡の考えを海外でも理解される形に洗練する可能性を発表した。 上記の卓越した日本内外の研究者を交えて、若手研究者を育成するために、研究集会を催し、研究発表を行い、上記の3研究者にコメントをもらいながら、議論を戦わせることで、将来的に日本から海外に理論言語学の分野で貢献する可能性を探った(発表者:江本博昭、北田伸一、中村太一、大倉直子、Cornelia D. Lupsa、西山國雄、小川芳樹、大関洋平、田中里実、林恒立、川原功司、三好暢博、戸澤隆広)。
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