研究課題
初年度に重点的に調査研究を行なうべき項目は「感情語」である。感情語とは、従来オノマトペとか、擬態語擬音語とかで呼ばれていた語類で、南アジアには感情語が豊富なことがこれまでよく知られている。しかし、従来の研究は形態と意味に重点が置かれていたが、本研究では、音韻構造や、統語論的な視点も導入しながら、詳細な研究を行う。その研究成果として、長田は10月に行われた国際オーストロアジア言語学会でムンダ語の感情語に関連した発表を行った。初年度の現地調査については、大西が6月と1月の二回に分けて、コルカタ周辺でのベンガル語の調査を行ったのを始め、児玉はインドのハイデラバード市を中心に8月に、高橋はインドのヒマチャル・プラデシュ州で12月と3月の二回に分けて、それぞれ現地調査を行った。大西は現地の協力者と共同で、ベンガル語の感情語についてのデータベースを作成中であり、本研究終了時までに、その成果を刊行する目途がついている。また、児玉、および高橋も調査による成果の一部を学会などで発表し、論文として公刊した」。本年度は、「南アジア言語地図」を連携研究者の寺村が中心となって、GISを利用した地図作成のための研究会も、調査と平行して行った。そして、平成22年6月には出版される予定である。したがって、来年度以降はこの言語地図上に類型論的特徴をプロットすることで、本研究の可視化をはかりたいと考えている。
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