研究課題
『全国方言文法辞典』のための調査・研究として、以下の作業を進めた。1.条件表現・逆接表現の共通調査項目とその解説および全国諸方言の条件表現・逆接表現の分布を概観した研究成果報告書『『全国方言文法辞典』のための条件表現・逆接表現調査ガイドブック』を刊行した。2.条件表現・逆接表現の共通調査を下記の地点で実施した(()内は調査担当者)。秋田県秋田市大町(日高水穂)・富山県中新川郡立山町芦峅寺(小西いずみ)・高知県高知市(橋本礼子)・山口県光市(橋本礼子)・長崎県壱岐市勝本町(小西いずみ)・熊本県人吉市(松丸真大)3.条件表現・逆接表現の共通調査データのウェブ入力システムの整備を行った。2で調査を終えた地点については、調査結果のウェブ入力を進めている。4.2010年9月および12月に研究打合せ会議を行い、条件表現・逆接表現の調査報告を行うとともに、諸方言の活用体系の記述のための検討を行った。日本語の文法記述を行うためには、用言の活用体系をどのようにとらえ、整合性のある記述を行うかが、重要な課題となる。諸方言の活用体系については、個々の方言を対象にした先行研究は多いが、全国方言の活用体系を同じ枠組みで記述することは十分に行われてきていない。特に、琉球方言は、本土方言とは大きく異なった活用体系をもつため、同じ枠組みで記述するためには十分な検討が必要である。また、諸方言と古典語との対照が可能な枠組みも検討する必要がある。諸方言と古典語の対照を可能にする活用体系の記述の枠組みを設定することは、本研究課題の根底に関わる部分であるため、来年度以降も引き続き検討を重ねていく予定である。
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神女大国文
巻: 22 ページ: 85-66(横書き1-20)
広島大学大学院教育学研究科紀要第二部(文化教育開発関連領域)
巻: 59 ページ: 123-132
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