研究課題
本研究は、日本語諸方言の文法を総合的に記述する『全国方言文法辞典』の編纂を目的として、要地方言を統一的に調査するための共通調査項目を策定し、各地方言(標準語を含む)の文法的側面に関する対照研究を行うものである。平成25年度は、本研究期間の最終年度であり、具体的な研究成果として、以下にあげる要地方言の活用体系記述の報告書の刊行、および条件表現の地理的変異に関する学会発表を行った。1.『全国方言文法辞典資料集(2)活用体系』の刊行:《概説》活用体系の地理的変異と記述の枠組み(小西いずみ)/中央語における動詞活用の歴史(小柳智一)/《要地方言の活用体系記述》岩手県盛岡市方言(竹田晃子)/秋田県由利本荘市本荘方言(日高水穂)/山梨県甲府市方言(吉田雅子)/富山県富山市方言(小西いずみ)/岐阜県岐阜市方言(山田敏弘)/滋賀県長浜市方言(酒井雅史)/京都府京都市方言(松丸真大)/大阪府方言(野間純平)/山口県東周防方言(舩木礼子)/福岡県福岡市方言(平塚雄亮)/沖縄県那覇市首里方言(仲原穣)/沖縄県宮古島市平良下里方言(中本謙)/《資料》要地方言の活用対照表(小西いずみ)2.学会発表(パネルセッション)「認識的条件文の地理的変異と歴史的変化」日本語文法学会第14回大会(2013年12月1日、早稲田大学):発表1「現代日本語文法における認識的条件文の位置づけ」(有田節子)/発表2「認識的条件文の地理的変異」(日高水穂)/発表3「認識的条件文の成立」(矢島正浩)/(司会者・指定討論者:江口正)この他、条件表現・逆接表現の共通調査データのウェブ入力システムを完成させ、運用を進めている。また、方言昔話資料のデータベース化と用例データベースの作成を進めている。本年度は、条件表現・逆接表現の用例抽出を行った。今後、これらのシステム、データベースを活用し、『全国方言文法辞典』の完成を目指したい。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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神女大国文
巻: 25号 ページ: 42-51(横組8-17)
形式語研究論集(藤田保幸編,和泉書院)
巻: なし ページ: 285-300
巻: なし ページ: 301-318
日本語の研究
巻: 9巻3号 ページ: 35-47
日本語史の新視点と現代日本語(小林賢次・小林千草編,勉誠出版)
巻: なし ページ: 400-417
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