研究課題/領域番号 |
21320087
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
森山 卓郎 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80182278)
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研究分担者 |
菅井 三実 兵庫教育大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (10252206)
森山 潤 兵庫教育大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40303482)
達富 洋二 仏教大学, 教育学部, 准教授 (40367983)
森 篤嗣 帝塚山大学, 現代生活学部, 准教授 (30407209)
加藤 久雄 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (40135827)
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キーワード | 国語教育 / 社会的言語習得 / 国語の特質に関する事項 / 文章指導 |
研究概要 |
本年度は、総括として、言語能力の育成とその言語研究的基盤について検討した。従来、言語の習得として、N.Chomskyが指摘するような種としての言語能力の習得ということが議論されてきた。しかし、OECDの学力調査プログラム(PISA)のkey competenciesということも含めて考えると、「社会的な言語習得」という見方(社会で自己実現していくための基盤的な言語運用能力の育成)が問題になる。この必要性は全国学力学習状況調査の結果などを見ても明らかで、言語の運用能力や操作能力において一定の訓練が必要である。 この社会的言語習得のために、(1)言語研究と教育とが協働して、子どもの言語運用能力の伸長を、文字表記力や語彙力、文法操作力などから分析すること、(2)思考力やコミュニケーション力を総体的に高めていくてだてを考えること(「言語活動の充実」として国語以外の教科と国語科の連携、幼小の連携などを含めて)、(3)教員養成段階も含めたコミュニケーション力の意識化をはかること、が必要となる。 本年度は、(1)「例えば」「理由を考えると」など、思考を深める為の手立てとなる具体的な表現(思考展開表現)を検討すること、(2)美術鑑賞などの他教科との関わりや幼小連携などを含めて、言語と関連づけた思考力やコミュニケーション力の育成を総合的に考えること、(3)文学的修辞の言語学的検討などを通して、言葉の学びを豊かで深いものにしていくことなどを考えた。(4)教員養成段階で言語やコミュニケーションに関する意識を高めること、などを検討した。 関連する論文・書籍の編集執筆や研究発表・講演などを行った。『日本語・国語話題のネタ』ひつじ書房(森山編成24年5月刊)では、関連する国語の知識を分かりやすい形でまとめている。『教師コミュニケーション力入門』明治図書(森山編・印刷中)も7月に刊行する。また、平成24年5月開催の日本語学会、全国大学国語教育学会等のシンポジウムで研究成果に関する発表がある。
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