研究概要 |
(1) 昨年度に引き続き、代表者、分担者、連携研究者が全員参加する研究会を頻繁に開催し、各自が研究テーマとして選定した英語構文に関する研究発表を行った。その際、取り上げた構文が既存の伝統的・記述的文献(Jespersen, Poutsma, Kruisinga, Curme, Quirk et al.Biber et al.Huddleston & Pullumなど)においてどのように扱われているかを検討した。同時に、Jackendoff(2002,2007), Culicover and Jackendoff(2005), Kajita(1997)などの理論的研究、Goldbergなどの構文文法、Hallidayの機能文法などの研究を批判的に検討した。発表にあたっては、必ずコーパスを利用し、構文のもつ機能的・談話的側面や、ある構文と別の構文との間に見られる共起傾向にも注意を払った。 (2) 平成21年度の英語語法文法学会(第17回大会)で行ったシンポジウム「大規模コーパスを英語研究に有効利用するための留意点について」(代表者の滝沢と連携研究者の深谷が発表し、分担者の大室が司会)の発表内容を活字化し、同学会の学会誌に掲載した。 (3) 分担者の大名は、英語コーパス学会(第35回大会)において「コーパス検索で注意すべきこと-基礎データの信頼性向上のために-」というテーマで招待講演を行った。また大名は、日本英語学会(第28回大会)においてシンポジウム「文法研究資料としてのコーパスデータの批判的検討」を企画し、自ら司会をつとめると同時に「コーパスから得やすい情報、得にくい情報-統語論、構文研究を中心に」というテーマで発表を行った。更に大名は、東京言語研究所において「文法研究とコーパスデータ」という名称の特別集中講義を担当した。いずれも、本研究が目指す「コーパス利用の方法論研究」に関わる内容のものである。 (4) 連携研究者の都築は、『学校文法の語らなかった英語構文』を出版した。
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