研究課題/領域番号 |
21320090
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
YOKOTA-M G 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 教授 (90216242)
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研究分担者 |
渡辺 秀樹 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 教授 (30191787)
大森 文子 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 准教授 (70213866)
村上スミス アンドリュー 大阪大学, 大学院・言語文化研究科, 准教授 (60324836)
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キーワード | レトリック / 英米文学 / 日本文学 / メタファー / 翻訳論 / 認知言語学 |
研究概要 |
4年間プロジェクトの3年目では、日英文学に用いられるトポスを対象として、4人のそれぞれの専門分野における用例を収集・分類・分析し、翻訳者の異読も考慮して、その文学的伝統が現代国際社会の異文化間コミュニケーションにどんな影響を及ぼすかについて研究を進めた。古英詩、中世英詩、近代イギリスの児童向け寓意詩、謡曲、現代日本文学の「大阪物」において、トポスがどう機能するかについて注目し、特に日英双方の翻訳や翻案等の作業プロセスにおいて生じるズレを明らかにすることにより、異文化間コミュニケーションへの貢献を図った。 代表者のYokota-Mは再びプリンストン大学に赴き、Program in Translation and Intercultural Communication(翻訳・異文化間コミュニケーション論講座)の代表、D.ベロス教授と研究打ち合わせをして、今までのプロジェクトについての評価および今後の研究計画について貴重な示唆を受けた。また、東日本大震災の被害者に対する責任を重く受け止め、代表者のYokota-Mがトポスとして特に陸奥という歌枕に焦点を当て、国際社会の震災に対する理解を深めることも図った。 文学作品の複数の翻訳を比較することによって、異文化間のレトリックの変容が明確になる。何が消え、何が付け加えられたか、それぞれの言語の構造やイディオムの特性が明らかになる。本研究では、翻訳者の認識の相違等を考察することによって、美意識・文体だけではなくて価値観・道徳観・宗教観・世界観の文化性・歴史性に対する認識と理解を深めることを目的とする。Rhetorical Literacy=レトリックの知、つまり、高度コミュニケーション能力の養成に貢献することが本研究の意義である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分担者による熱心の努力および協力機関の惜しみない支援のおかげで順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は4年間プロジェクトの最終年度になる。元の予定では、3年目ではコンフリクトのレトリック、4年目では赦しと和解のレトリックを主なテーマに設定していたが、平成23年の東日本大震災を視野に入れた結果、3年目ではコンフリクトとクライシス(Conflict and Crisis)のレトリック、4年目では和解と復興(Reconciliation and Reconstruction)のレトリックに広げることとした。対象テキストおよび分析メソッドはほぼ元の予定どおりでプロジェクトを進める。
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