研究課題/領域番号 |
21320091
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
酒井 たか子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40215588)
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研究分担者 |
加納 千恵子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (90204594)
今井 新悟 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50346582)
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キーワード | 日本語教育 / 測定 / コンピュータテスト / 評価 |
研究概要 |
今年度は昨年度に引き続きコンピュータを使ってオンラインで実施する日本語能力診断テストであるTsukuba Test Battery of Japanese(TTBJ:筑波日本語テスト集)のプログラム開発・改修、およびそれを使用してデータ収集と分析を進めた。 プログラムの開発・改修に関しては、(1)分岐の設定、(2)フェースシートの機関ごとの対応、(3)「不正終了」への対応を中心に行った。(1)の分岐は、平成22年度までに受験者のテスト結果を利用して次の問題を提示するプログラムを開発したが、設定方法がわかりにくく使いづらかった。そこで視覚的に設定操作が行えるシステムに改修した。(2)フェースシートは各機関や調査グループごとに必要とする項目が異なり、複数のパターンを用意する必要性が寄せられていた。今回は機関、調査グループごとの設定が可能になり、Can-do-statementタイプの設問も容易に組み込むことができるようになった。(3)は平成22年度に残されていた不正修了の問題であり、今年度においてある程度の改善はできたが、まだ完全とは言えず、さらなる改修を必要としている。 今回改善したプログラムを用いて、国内外の機関において多くのデータ収集を行い、テスト問題項目や学習者の日本語力に関する分析を進めた。海外の研究協力者のアメリカ中西部の大学においては、約200名を対象にTTBJのSPOT、漢字SPOT、他を実施し、外在基準として学期末試験の成績との関係を検討し、アメリカの大学におけるプレースメントテストとして利用する際の学年の指標の基準を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TTBJのプログラムの改修が順調に進み、昨年度に残された問題点はほぼ解決した。その結果、国内、国外の日本語教育機関において、500名以上のデータを収集し多方面からの分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.TTBJによるデータ収集を国内外において引き続き行い,日本語能力試験、J-CAT、コースにおける終了テストなどの外在基準との関係、テスト間の相関など、多方面から分析を進める。(筑波大学、東京外国語大学、アメリカ・コロラド大学、UCSD他)。 2.平行テストを作成するためにテスト項目を追加する。 3.結果を自動的に指定されたメールアドレスに送るプログラムを追加する。 4.本プログラムの特徴である時間制御、時間計測を生かし、解答時間から日本語能力の自動化の側面に関する研究を進める。 5.国内外の学会において研究発表、意見交換を行う。PrincetonJapanesePedagogyForum(アメリカ、プリンストン)(5月)、日本語教育国際研究大会(名古屋)(8月)他を予定。
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