研究概要 |
1. 目的:本研究の目的の第一は、世界各地に散在する継承語に関する文献を母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究会の活動を通して形成された人脈を活用して収集、整理、統括してデータベース化すること、第二は、継承語教育専門家会議と継承語教師養成ワークショップを国内外で開催して互いの連携を深め、専門家を養成すると同時に継承語教師の質の向上に寄与することである。 2. 進捗状況: (1) 文献収集は、世界11か国、総勢70名近くの調査協力者を公募して3回にわたって行い、現時点で文献数が1,154点に達している。その一部を神戸大学の協力を得て、サーバー上に移行する第一回試行を3月17日に行った。第二回試行を2010年度5月に予定している。 (2) 継承語教師養成ワークショップを国内で3回、国外で1回開催した。国内第一回は「継承語教育におけるマルチレベル・マルチエイジでのインターアクティブな読解の方法と書記から読解を引き出す方法」(2009年8月9日)、第二回は「継承語の力をどう測るか-試案のいろいろ」(2010年3月26日)、「継承語をどう教えるか一学習ゴールの立て方、スキャフォルディングの仕方、読み書き指導ほか」(2010年3月27日)である。国外の第一回ワークショップは、コロラド州デンバーで行った、補習校2校と日本語学校教師の合同セミナーである(2010年3月6日、7日)。第3回は会話力測定ツール(2010年8月5日、6日)、第4回は読書力測定ツールをテーマとしたものを計画中である(2010年11月)。 (3) 継承語教育に関する既存文献『母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究プレ創刊号』改訂版を刊行した(2010年6月)。
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