研究課題/領域番号 |
21320097
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
新矢 麻紀子 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (70389203)
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研究分担者 |
山田 泉 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (30210438)
窪 誠 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (10319577)
大谷 晋也 大阪大学, 国際教育交流センター, 准教授 (50294137)
岩槻 知也 京都女子大学, 発達教育学部, 准教授 (60263191)
佐藤 潤一 大阪産業大学, 教養部, 准教授 (40411425)
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キーワード | 移民政策 / 日本語教育保障法 / 人権 / 外国人受け入れ / 多文化共生 / 言語保障 / 韓国 / フランス |
研究概要 |
報告者らの研究グループは、2007-2008年に萌芽研究「ニューカマーに対する日本語教育保障法案の創出をめぐる言語教育学・公法学的研究」を実施したが、2009年からの3カ年の本プロジェクトにおいては、萌芽研究で実施できなかった国内の主要自治体および海外諸国における外国人受け入れ施策・言語政策に関する調査を行うことが主要な計画の1つであり、2009年度はそれを中心に研究を遂行した。具体的には、国内では、本研究の中心概念である「人権」を重視した外国人施策を展開している川崎市および大阪市の行政機関ならびに日本語教室、また海外では、2007年に「在韓外国人処遇基本法」を、2008年に「多文化家族支援法」を制定し、国際結婚移民をはじめとする移民に対する施策を拡充している韓国(2009年度の繰越金により2010年度にも再調査)、そして、2007年より正式に導入した「受入れ統合契約」により移民に対してフランス語教育を義務付けたフランス、という2国の政府機関や自治体、NPO等を訪問し、関係者への聞き取り、施設見学、授業見学等を実施した。日本におけるマイノリティ支援の歴史を有する自治体や、日本に先んじて移民政策を有する海外諸国、特に近年の展開が目ざましい国々の事例を研究することは、日本で日本語教育保障政策を立案・施行していくためには、重要かつ欠かせざるプロセスである。なお、それらの研究成果は、2010年度以降に『大阪産業大学論集人文・社会科学編』等に順次公表しているところである。 さらに、日本と韓国の人権法制度に詳しい法律研究者の金東勲龍谷大学名誉教授を韓国から招聘し、公開講演会を開催した。日韓の外国人に対する人権に関する処遇の歴史を学ぶことによって、海外現地調査の結果を再解釈・再検討した。これは、本プロジェクトの今後の理論化に向けての重要な作業であると考えられる。
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