本研究の目的は、双方向型教材利用システムを開発、実用化し、ネットアーカイブ/システムを通じて国内外のスペイン語教習コミュニティの育成を目指すものである。当該年度は2年目で、その実施計画に基づき以下の成果を出した。(1)双方向型教材利用システムの開発:ウェブ上の各種の教材を使った教師と学生の双方向教材利用システムを構築し、上田が試験的に大学での授業(1年生スペイン語)で運用し、作文練習の資料を収集した(http://lecture.ecc.u-tokyo.ac.jp/~cueda/keiziban/forumsupeingol.php)。これはウェブページと連携したPEPによるプログラミングにより、学生と教師双方の書き込みを蓄積するもので、これを資料として今後の研究課題である「スペイン語初級学習者コーパス」を作成する予定である。本年度は試験的運用であるが、次年度からシステムを拡大し、データベース化し、一般的な使用を可能にする。(2)ウェブサイトのスペイン語版作成:ウェブサイトを国外でも運用するために、本年度は全体の構成と個々の内容に関して、スペイン語への書き換えを行った。現在試験的に運用中。次年度初めに一般公開する(http://spanish.ecc.u-tokyo.ac.jp/espanhol/)。(3)教育素材資源の収集と編集:上田博人がマドリードで視聴覚教材「多文化のマドリード」を取材・撮影し(9月3日~20日)、編集したものをウェブサイトにアップ。石橋純がベネズエラで音楽政策と音楽運動について調査、取材(8月16日~26日、2月27日~3月8日)。ウリセス・グラナドスがメキシコにおいて、マジック・タウン、及びメキシコ独立200年記念・革命100年記念についての視聴覚教材を撮影し(9月9日~28日)、現在編集中。また去年取材した「メキシコにおける宗教」と「メキシコの漆器」のドキュメンタリービデオを完成させ、日本語字幕を付けてウェブサイトにアップした。
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