研究課題/領域番号 |
21320102
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉浦 正利 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (80216308)
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研究分担者 |
木下 徹 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (90177890)
山下 淳子 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (00220335)
滝沢 直宏 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (60252285)
藤村 逸子 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (50229035)
成田 克史 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (40128202)
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キーワード | 第二言語習得 / 視線計測 / 遷移確率 / コロケーション / 連語表現 / リーディング / ライティング |
研究概要 |
本研究の目的は、第二言語習得において学習者が外国語を処理(産出および理解)している過程において、どのような単位で処理を行なっているのかということを、リアルタイムに記録することで、解明しようとする試みである。平成23年度は、理解に関して、昨年度収集した視線計測装置による英語母語話者と学習者のデータを、初回注視継続時間のみならず凝視時間と注視頻度を合わせて分析することにより、「動詞+名詞」という表現パターンの処理において、母語話者については、先行研究と同じ傾向であることを確認した上で、学習者については母語話者とは処理過程に差があることを明らかにできた。また、視線計測データから流暢に処理をしている連語表現を抽出するプログラムを開発した。英語の産出データの分析に関しては、リアルタイム記録プログラムを新たに開発しなおし、データを取り直し、ex-Gaussian分布を使って、連語表現の流暢な産出を観察できるプログラムを開発し、産出過程における連語表現と産出結果における連語表現との比較分析を行った。フランス語に関しては、「名詞+形容詞」という表現パターンを観察対象にし、視線計測装置により、フランス語母語話者と学習者のデータを収集し、英語と同様に遷移確率に基づき処理過程を分析したところ、母語話者と学習者とで処理速度に差はあるものの、頻度の差に関しては母語話者も学習者も同様に処理に差があるという結果を得た。ドイツ語については「形容詞+名詞」という表現パターンを用いて、母語話者と学習者データを収集し分析したが、フランス語とは逆に、頻度の差による処理の差が母語話者でも学習者でも観察されなかった。英語・フランス語・ドイツ語で、統一的な結論が得られなかった理由については、言語の違いの他にも学習者の熟達度の違いや表現パターンの違いなど多くの要因が考えられるが、その究明は今後の課題である。
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